プラスの傘下に入ったセーラー万年筆が10月から受注生産する万年筆(同社ニュースリリースより)
M&A Online編集部が大量保有データベースで2020年7月の大量保有報告書の提出状況を調べたところ、文具・事務用品大手のプラスが、筆記具メーカーのセーラー万年筆<7992>株を43.42%買い増し57.78%に引き上げる報告書を17日に提出した。
両社は2018年に資本・業務提携を結び、プラスがセーラー万年筆の筆頭株主になっていた。今回の買い増しでセーラー万年筆はプラスの子会社となった。
セーラー万年筆による第三者割当増資20億円をプラスが引き受けて実現したもので、セーラ-は取得資金を生産設備の増強や文具、ロボット事業の開発投資などに充当するという。
エフィッシモ、ニチイ学館のTOBに応募
米投資ファンドのベインキャピタルがTOB(株式公開買い付け)を実施中の介護大手のニチイ学館<9792>については、ニチイ学館株式の10%強を保有するエフィッシモ キャピタル マネージメント ピーティーイー エルティーディーが、7月17日、20日、27日、28日の4度「担保契約等重要な契約に関する変更」を理由に同報告書を提出した。
ベインキャピタルは7月31日に、買付価格をこれまでの1株1500円から1670円に引き上げ、8月3日までだった買付期間も8月17日まで延長した。この条件でエフィッシモが公開買付けに応募する意向を表明しており、TOB成立の可能性は高そうだ。
経営再建途上にあるレオパレス21については6件の提出があった。旧村上ファンド系のレノが3度保有割合を引き下げ、12.08%(4.68%減)としたほか、英国の投資ファンド・オデイ・アセット・マネジメントも2度保有割合を引き下げ7.08%(1.07%減)とした。一方、野村証券は新たに5.67%を保有した。
6月に続き三陽商会<8011>については2件の大量保有報告書の提出があった。取締役選任に関して対立している米国の投資助言会社RMBキャピタルが1.54%買い増し7.6%に、八木通商が1.27%買い増し9.51%にそれぞれ保有割合を引き上げた。
提出件数は1425件で過去最多
2020年7月の大量保有報告書の提出件数は1425件で、このうち保有割合を増やしたのが481件、新規保有が201件、保有割合を減らしたのが657件、契約の変更などが86件だった。提出件数は7月としては2013年の1023件を上回り、過去10年間で最多となった。
文:M&A Online編集部
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