シベリア抑留者の遺骨取り違え問題について検証を進めてきた厚生労働省の専門家チームが25日、報告書を公表しました。報告書では、取り違えた可能性がある遺骨の70％以上が「日本人の可能性は低い」としたうえで、「当時の収集の在り方には改善すべき点があったと言わざるをえず、今後、見直しが必要だ」などと指摘しています。
シベリア抑留者の遺骨をめぐっては、９か所の埋葬地で収集した合わせて597人分の遺骨について、日本人のものではない可能性があることが明らかになっていて、鑑定方法の問題点などについて検証を進めていた厚生労働省の専門家チームが25日、報告書を公表しました。
報告書では、597人分の遺骨のうち70％以上に当たるおよそ440人分について「日本人の可能性は低い」というＤＮＡの鑑定結果が出たほか、フィリピンで収集した10人分の遺骨についても「すべて日本人の可能性が低い」としています。
専門家チームは、取り違えの要因について、「ロシア側から提供された埋葬地の資料は大ざっぱな地図で、現地住民の証言も必ずしも正確ではなかった。鑑定人が同行していないケースもあり、ロシア側の情報は参考意見と捉え、情報の確度を確認する必要があった」などと指摘しています。
そのうえで「当時の収集の在り方には改善すべき点があったと言わざるをえず、技術的な問題点について、これまで外部の検証を受けたことがなかった。科学技術は常に進歩しており、今後は専門家の意見も踏まえ、見直しを図ることが必要だ」と結論づけています。
報告書を受けて厚生労働省は、今後、鑑定方法の見直しなどの検討を進めることにしています。
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March 25, 2020 at 05:18PM
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シベリア抑留者 遺骨取り違え 報告書「収集の在り方見直しを」 - NHK NEWS WEB
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