2016年に兵庫県宝塚市立中2年の女子生徒(当時14)が自殺した問題で、いじめの詳しい状況を調べ直した市の再調査委員会は22日、25件のいじめを認定し「自殺との間に極めて強い関連性がある」とする報告書を公表した。最初に経緯を調べた市教育委員会の第三者委員会はいじめ4件を認定したが、遺族から調査が不十分との指摘を受けていた。

再調査委は、教諭がいじめを生徒間トラブルと捉えて「当面見守ろう」と判断したことが解決を阻み「事実上の指導放棄」だったと指摘。また、第三者委は調査の中立性を意識し過ぎて遺族の心情に寄り添えておらず「調査プロセスで丁寧さを欠いた」と問題点を挙げた。

再調査委によると、生徒は所属する運動部やクラスで16年9月から無視されたり「ストーカー」と陰口を言われたりするようになった。「うざい」と言われることや、ボールをぶつけられることもあり「もう死ぬ。生きる意味がない」とノートに書き残して同12月8日に自殺した。

この部では前年も別の部員がいじめられて不登校になったが、教諭らが加害者側を指導せず、再調査委は今回の問題の遠因になったと判断した。

市教委の第三者委は18年10月、いじめとの因果関係を認める報告書の概要を公表したが、調査過程で「完全な解明は困難」との見解を示していたことなどから遺族が反発。宝塚市が再調査委を設置した。(共同)