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Tuesday, March 3, 2020

IPCC総会、第6次統合報告書「気候変動2022」のアウトライン合意 - 環境ビジネスオンライン

画像はイメージです

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2月24日~28日にフランス・パリで開催した第52回総会において、IPCC第6次統合報告書のアウトライン(章立て等)が合意された。

環境省は3月2日、今回合意した第6次統合報告書のアウトライン(2月28日合意版に基づく仮訳)をとりまとめ、同総会の結果を報告した。統合報告書は、第57回総会(2022年5月予定)にて承認・受諾される予定。

環境省の仮訳によると、第6次統合報告書のタイトルは、「AR6統合報告書:気候変動2022」。報告書は、前付と政策決定者向け要約、「序」「現状と動向」「長期的な気候及び発展の将来」「変化する気候下における短期的な対応」の4セクションで構成される。

IPCC第6次評価報告書と統合報告書について

IPCCは、これまで5回にわたり地球温暖化に関する評価報告書を作成・公表し、国際交渉や各国の政策決定の基礎となる科学的知見を提供してきた。現在第6次評価報告書(AR6)公表に向けた作業が進行している。

IPCC第41回総会(2015年2月)において、AR6とその統合報告書は、5~7年の間に作成すること、18カ月以内にすべての評価報告書(第1、第2、第3作業部会報告書)を公表することなどが決定されたている。

第1、第2、第3作業部会評価報告書は、それぞれのテーマ「自然科学的根拠」「影響・適応・脆弱性」「気候変動の緩和策」を対象としたものだ。統合報告書はこれら3つの評価報告書の知見をまとめたものとなる。

3つの評価報告書のアウトラインは、第46回総会(2017年9月)で合意されており、それぞれ第54回総会(2021年4月予定)、第56回総会(2021年10月予定)、第55回総会(2021年9月予定)にて承認・受諾される予定。

次回、第53回総会は10月6日~10月10日に、ケニア・ナイロビにおいて開催される予定。議題は未定。

セクション2~4の概要

IPCC第6次統合報告書のアウトラインにおけるセクション2~4の概要は以下の通り。

セクション2:現状と動向(10頁)

  • 社会経済的発展と気候変動、地域をまたぐ気候変動対策(アクション)。
  • 年間量と累積量の両側面からみた、現在・過去における、排出源、除去及び吸収源からのCO2排出量、並びに短寿命気候強制因子を含むCO2以外の強制因子(の排出量)。
  • 排出量を増加・減少させる社会経済的・技術的な駆動要因。
  • 気候システムにおける地域/世界全体における変化とその原因。
  • 過去の排出量と地球物理的、社会経済的システム的における惰性に起因する回避できない気候変動。
  • 人間システムと自然システムが現在受けている影響:脆弱性、残存リスクを含む部門及び地域の影響及びリスク。
  • 適応と緩和の取り組みの現状、資金(ファイナンス)、能力開発と技術、並びに持続可能な開発への示唆。

セクション3:長期的な気候及び発展の将来(10頁)

  • シナリオと予測、地域と世界全体の気候変動、変化の速度、強制力の性質に対する依存性。
  • 世界全体と地域における影響、コストと便益、自然システムと人間システムに対するリスク、昇温の水準への依存性、社会経済的発展への示唆。
  • 適応:選択肢、機会、限界と残存リスク、社会経済的発展への示唆、昇温の水準。
  • 緩和の経路、人為起源の温室効果ガスの排出量、除去量と吸収量の間の世界全体のバランス、総カーボンバジェットと残余カーボンバジェットとそれらの過去の累積排出量との関連、衡平性、社会経済的発展への示唆。
  • 適応、緩和と持続可能な開発、相互作用。これらは直接的・間接的なコスト、便益・共便益(コベネフィット)、リスク、経済、並びに衡平性を含む。
  • 深い不確実性、ティッピングポイント、不可逆性、複事象、影響力の大きい事象、社会への示唆。
  • オーバーシュートを伴う経路、CDR(二酸化炭素除去)、SRM(太陽放射性管理)。及びそれらの示唆(影響)。
  • 短期と長期の相互作用。

セクション4:変化する気候下における短期的な対応(10頁)

  • 短期的な気候変動、並びに自然システム・人間システムに対する、変動性、脆弱性、曝露、影響、コスト及びリスク。
  • 異なる水準に昇温を抑えることに整合する短期的な社会経済的経路、持続可能な開発と適応の強化に整合する開発経路。
  • 変化する気候下において、早期に対策(アクション)をとる場合の便益の便益とコストやその障壁の可能性、対策(アクション)が遅れた場合のロックイン、残存リスク、スピルオーバー、及び不可逆的な変化を含む影響。
  • 部門と地理的スケールの内外にわたる、多様な対応の選択肢、便益、共便益(コベネフィット)/相乗効果と直接・間接コスト、並びにトレードオフ(適応、リスク管理、緩和)。
  • 持続可能な開発、貧困の撲滅、食料安全保障と衡平性の文脈における、適応と緩和に対するものを含む、公正なシステム移行の強化と開始(の促進)。
  • 資金と投資、能力、制度的調整、国際協力、技術革新及び技術移転、並びに幅広い主体にわたる行動変容を含む、支持的条件と手段。

【参考】

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