日ハムファンはもちろんのこと、プロ野球ファンは総じて、不安に駆られたことと推察する。出で立ちから別次元で、深紅の三つ揃いに合わせた真っ白いシャツの襟の高さは10センチ。だが、繰り出される言葉のインパクトは、見た目のそれをはるかに上回っていた。
「“監督”って呼ばないでください。“ビッグボス”でお願いします」なんていうのは、呼び名の問題だからいいとしても、「レギュラーなんて一人も決まっていません」とか「優勝なんか僕は一切目指しません」といった言葉を発した指揮官が、これまでいたか。挙句、「天井から降りたいなとは思うね」「僕が帰ってきたからにはコロナはなくなり、球場満員になります」などと聞かされると、もはやロックスターではないか。 日ハムOBの野球解説者、金石昭人氏は、 「ビッグボスには期待しているし、応援もしたい」 と言いながらも、こう不安を隠さない。 「全体に選手層が薄く、フロントがこれからどれだけ補強してくれるかが、重要になってくるだけに、いろいろ心配になります。監督のパフォーマンスばかりが目立って結果を残せないと、監督自身の立場が苦しくなるし、成り行き任せの勘ピューターが暴走する可能性もあるかもしれない」
根回しオタク
だが、新庄監督と一緒にプレーした経験もある野球解説者の岩本勉氏に聞くと、様相が異なり、 「新庄は現役時代、派手なことをたくさんしましたが、思いつきではなく、裏で徹底して根回しをしていました。僕に言わせれば、彼は“根回しオタク”です」 というのである。 「たとえば1999年6月12日、巨人の槙原寛己投手の敬遠球を打って阪神がサヨナラ勝ちした瞬間。新庄は日ごろ敬遠球を打つ練習を繰り返していたから、成功した。打てそうな敬遠球を打っていいか、野村克也監督にも事前に聞き、オーケーを取りつけていました。2006年6月6日、札幌ドームでの阪神戦で、地上50メートルの天井から降りてきたのも、球団や球場に根回しをし、綿密な準備をへて可能になったことです。根回しができるのは、すなわち実行力があるということ。新庄は面倒な根回しをしてまで、実行する男です」 それにしても派手だが、 「派手なことをして結果が伴わなければ、世間の目は厳しくなる。派手なことができたのは、普段から勝ちにこだわり、批判されるリスクを背負う覚悟があったからでしょう。そもそも新庄は、日米通算で1524安打、225本塁打を打っている。勝ちにこだわって努力を重ねなければ、到達できない数字です」
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