神戸市の中央市民病院は、患者や看護師ら36人に院内感染が拡大した経緯や原因についての調査報告書をまとめました。
防護服やマスクを着用していたにもかかわらず感染したケースも多く、職員の教育などを徹底したいとしています。
感染症の指定医療機関として新型コロナウイルスの患者を受け入れている「神戸市立医療センター中央市民病院」ではことし4月から、患者や職員などあわせて36人の感染が相次いで確認され、このうち患者3人が亡くなりました。
病院は、再発防止につなげようと、調査報告書をまとめ、7日、発表しました。
この中では、感染の経緯について3月31日から入院していた新型コロナウイルスの患者から担当していた看護師に感染し、ここから別の患者や同僚に感染が拡大したと推定しています。
看護師は、防護服やマスクを着用していましたが、頻繁に病室に出はいりしていたことから、感染を防げなかった可能性があるとしています。
ほかの感染した職員も、▼装着していたゴーグルが曇ったため手で拭ったり、▼防護服の着脱を病室で行っていたりしたことを挙げ「感染防護に関する職員レベルが一律でなかった」と総括しています。
さらに、▼気密性の高い医療用マスクが不足し、行き渡らなかったほか、▼感染患者の担当看護師がほかの職員と接触する機会があったことを指摘し、前例のない感染拡大での混乱ぶりがうかがえます。
中央市民病院は、報告書の内容を踏まえ、感染防護のための職員教育を徹底するほか、重症患者の専用病棟の建設を急ぐなど、感染防止対策を徹底することにしています。
【院長“試行錯誤続ける”】。
神戸市立中央市民病院の木原康樹院長は記者会見で、「院内感染が起きた当時のコロナに関する知識量でできるベストを行った。院内感染を完璧に防ぐというのは難しいが試行錯誤を行い、感染症指定病院としてのミッションを果たし、市民の期待に応えたい」と述べました。
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August 07, 2020 at 04:00PM
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