[ボストン 22日 ロイター] - 米資産運用大手ブラックロック(BLK.N)は、投資先企業への関与について記した文書で、企業が新型コロナウイルスの世界的流行への対応に追われるなか、事業のサステナビリティ(持続可能性)に関する報告書の優先度を下げる可能性を指摘し、これを容認する姿勢を示唆した。
同社は従来、企業の気候変動への対応を一段と重視する姿勢を示していた。
同社の広報担当から入手した文書によると、企業が配当の支払いあるいは自社株買いを継続すべきかどうかという問題については中立的な立場を表明した。また、企業が株主総会をインターネット中継に切り替える場合は、株主に「意義ある参加」機会を与えるよう期待するとした。
ブラックロックは3月に、春季株主総会での議決権行使について、温室効果ガスの排出量や水質汚染について企業に細かな報告を求めるなどの厳しい方針を打ち出していた。
新たな文書でも、同社は米加工食品のサンダーソン・ファームズ(SAFM.O)や米動画配信サービス大手ネットフリックス(NFLX.O)などの企業に対し、環境報告書を出すよう促す考えを示した。
同時に、複数の企業から、サステナビリティ報告書などの財務に直接関係ないプロジェクトは新型コロナを理由に「優先度が下げられた」と伝えられたことも明らかにした。
「この不透明な時期に、企業が短期的に差し迫った優先事項への資源の再配分を余儀なくされる可能性をわれわれは認識している」とした。「いずれは、企業が再び意義あるサステナビリティ経営および報告に注力すると見込む」とした。
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米ブラックロック、環境報告書の優先度低下容認も コロナで - ロイター (Reuters Japan)
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