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8月24日に開幕する東京パラリンピック。関西からも多くの選手が出場しますが、この大会を特別な思いで迎える人たちがいます。 奈良県大和高田市に住む仲奈生美さん(53)は、東京パラリンピックに向けてこんな準備をしていました。 (仲奈生美さん) 「主人の人形で、ユニフォームも着させている。少しでもやり遂げた感を味わってもらえるようにと思って」 実は、奈生美さんの夫は東京パラリンピックに出場する予定でした。アーチェリー日本代表に内定していた仲喜嗣さんは、30代の頃に全身の筋力が低下する原因不明の難病を患い、車いすを使って生活するようになりました。ふさぎこむこともある中、出会ったのがアーチェリーでした。 (仲喜嗣さん 2019年) 「健常者・障がい者問わずに戦える魅力があった。私の人生を救ってくれたスポーツ」 40代で競技を始め、還暦間近で初の代表内定。それを支え続けてきたのは奈生美さんでした。 (仲奈生美さん 2019年) 「アーチェリーをやっていなかったら病気がもっとたぶん進行していたと思うんです。アーチェリーと出会てよかったなと思います」 (仲喜嗣さん 2019年) 「妻がいなかったら私は何もできないと思います。アーチェリーでも支えてくれないとここまで続けられなかったと思います」 アーチェリーを始めて15年。二人三脚でつかみ取った東京パラリンピック。しかし、去年11月に体調が悪化。開幕まで半年を前に、今年2月7日に60歳でかえらぬ人となりました。 (仲奈生美さん) 「この笑顔の写真が好きですね。2019年の世界選手権でブロンズメダルが決まった瞬間に『やった』って言っている写真なんです」 喜嗣さんにはずっとかわいがってきたチームメイトがいました。同じく日本代表で大阪府出身の上山友裕選手(33)です。 (仲奈生美さん) 「親子ぐらい年が離れているんです。仲良い同士なんです。『上山さんはアーチェリーチームのスターや』って主人は言うんですが、『俺はスーパースターや』って言うんですよ。上山くんにも『まだまだやな』ってよく笑っているんですよ。(Q似ているところがある?)本当に似ているんですよね」 集合写真ではいつも隣。良きライバルであり、良き友でもある上山さんから東京パラリンピック開幕前に奈生美さんのもとに連絡があったといいます。 (仲奈生美さん) 「主人がいつも使っていた矢を入れるクイバーというケースがあるんですが、それを上山さんがパラの大会に持っていって使ってくれるって」 喜嗣さんがアーチェリーを始めたときから15年間使い続けてきた矢を入れるケース「クイバー」。これを上山選手が受け継ぐことになったのです。上山選手の思いを聞きました。 (アーチェリー日本代表 上山友裕選手) 「クイバーを持って行くということで仲さんも出ていると。しっかり仲さんという選手がいて、しっかり東京パラリンピックを決めていて、今回、実際には出ていないかもしれないけど、僕と一緒に、他のチームのメンバーと一緒に仲さんも出たんだよというのを残せられれば良いなと思って」 ―――喜嗣さんは「上山くんはスターである」と。だけれでも喜嗣さん自身は「スーパースターである」とおっしゃっていたと。 (アーチェリー日本代表 上山友裕選手) 「仲さんはそう言うんですよ、本当に。『上山くんはまだまだやけど』と言うけれど、やっぱり僕のことを応援してくれていた。この大会で仲さんに肩を並べられなければ一生並べられないので、しっかりと並べられるように頑張りたいと思います」 上山選手だけではありません。ほかのアーチェリー代表選手らもともに戦いたいと喜嗣さんの人形と結団式に参加。喜嗣さんの思いは、チームメイトへつながっていきます。 (仲奈生美さん) 「そこまでしてみんなに連れて行ってもらえる主人は幸せだなと思います。アーチェリーをやるということが主人にとって生きるということだったと思うんです。主人は『生きた証としてパラリンピックに出場してセンターポールに日の丸をあげるんや』といつも言っていました。主人に代わって楽しんで来てねとみんなに言っています」
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