メジャー生活15年。アスレチックス、ナショナルズ、ツインズ、ブレーブス、エンゼルスと5球団を渡り歩いたカート・スズキは、公式戦で初めて大谷とバッテリーを組んだ4月20日のレンジャーズ戦が印象深いと話した。
「正直に思うことは、僕が受けてきたなかでも屈指のレベルの投手だということだね。マックス・シャーザーやスティーブン・ストラスバーグ、そのレベルの投手とショウヘイは同じ領域にいる。彼の持つ才能は特別だよ」
この日の大谷は初登板時にできた右手中指のマメの影響から、16日ぶりの登板だった。そのため、球数は75球前後に限定されていた。その中で4回を80球、1安打、7三振、無失点。凄みを見せた一方で7四死球とボールは暴れまくった。それでもスズキは負の部分をまったく気にしていなかったという。
「マメができて、そこから回復途中のマウンドだった。しかも前の登板から2週間以上間隔が空いていたんだ。多少制球が思うようにならないのは仕方がないこと。それでも彼の投げているボールの質は素晴らしかった。ここぞという時に投げるギアを上げた球は秀逸だった。それが我々の考えていた投球のテーマだったから、僕らにとっては重要なことだったんだ。彼の投げるボールはメジャーでも屈指。質の高い球を投げる投手だよ」
全80球を投げて、全力投球は1球もなかった。直球の最速は97.7マイル(約157km)にとどまったが、それでも91マイル(約146km)で鋭く落ちるスプリットを思うままに操った。7三振中、宝刀で奪った三振は6。スズキが説明した。
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