吉沢亮主演の大河ドラマ『青天を衝け』(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)で、連続テレビ小説『あさが来た』(15)以来2度目の五代友厚役を演じているディーン・フジオカ。日本経済の礎を築いた立役者として「東の渋沢栄一、西の五代友厚」と称される役どころだが、明治維新後は本格的に栄一(吉沢)と交流を深めていく。ディーンは日本の未来を担う2人を「同志」と位置づけたが、彼自身も主演の吉沢に対して同じような熱い眼差しを向けているようだ。
第27回で、栄一と五代は肥料屋でばったり出くわしたが、お互いの素性を知らないまま、他愛もない会話を交わしただけだった。10月10日に放送される第30回では、大阪の造幣局にてようやく2人が、渋沢栄一と五代友厚として対面する。そこで栄一は、すでに大阪財界の指導者として力を発揮している五代から、大いに刺激を受けることに。
ディーンは同シーンについて「五代としては、すごく会いたかった人に会えたシーンでした」と言う。「五代には、噂に聞いていた渋沢栄一という男と1日でも早く会ってみたいという気持ちがあって、それがついに叶ったシーンでもあったので、新しい出会いに対するワクワク感があったのではないかと。五代としてはすごく楽しみにしていたと思います。これからこのメンバーで、新しい日本を作っていくんだという希望に満ちたシーンなので」
また、同シーンのリハーサルで、吉沢からある提案をされたことが心に残っていると述懐。「吉沢くんが『五代さん』と話しかけてきて、『ここの台詞、こんな風に言ってもいいですかね。どう思いますか?』と聞かれたんです。それで僕は『それだと、こうなっちゃうからどうなんだろう?』と返すといったやりとりをしました。でも、そういう変更は通常、演出の方がする話で、役者同士が直接話すことはないんです。ましてや吉沢くんが、そういうことをほかの役者さんにしているところを僕は見たことがないし、自分も普段そういうことをしないので、すごく印象的でした」
ディーンはそのやりとりから、吉沢のただならぬ熱意を感じ取り、心を打たれたようで「吉沢くんがどういう気持ちで僕に話しかけてきて、役者としての芝居プランの話を始めたのかは計り知れないけど、僕自身はそのことをよく覚えています。きっと吉沢くんはそれくらい、あのシーンに懸ける熱量が強く、向き合い方を大事にしていたのではないかと。きっと2人にとっても、『青天を衝け』という作品にとっても、1つのターニングポイントとなるような、何かの始まりを予感させられるシーンになったのではないかと」と手応えを口にする。
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