米大統領選挙の民主党候補、ジョー・バイデン氏が、自身のランニングメイト（伴走者）となる副大統領候補に黒人女性のカマラ・ハリス氏を指名した。米国の各メディアは「歴史的選択」と報じた。有色人種の女性が主要政党の副大統領候補になったのは初めてだからだ。しかしドナルド・トランプ大統領の反応は異なった。トランプ大統領はハリス氏の指名発表直前、ラジオで「バイデンが女性をランニングメイトに選ぶと言ったことについて、中には『男性が侮辱された』と言う人もいるだろう」と述べ、発表直後にはツイッターに「郊外の主婦たちは私を選ぶだろう」と書き込んだ。全て、自身の支持層を結集させるための計算が働いた発言だ。いわゆる「ポリティカル・コレクトネス（PC、政治的妥当性）」に嫌悪感を持つ自身の支持層を刺激し、白人中産層が多数を占める郊外の主婦が「自分の味方」であることをあらためて誇示したわけだ。
「国を分断する最高司令官（Divider in chief）」との呼び名を持つトランプ大統領は、任期中ずっと社会の分断をあおり続けた。トランプ大統領は民主党の有色人種の女性議員らに対し「自分の国に帰れ」と声を荒らげ、米国全域で起きた人種差別反対デモに公権力を投入して「デモ隊は暴徒、われわれは法秩序の守護者」という二分法的フレームを当てはめた。演説では、民主党支持は「米国を憎悪する社会主義者の悪夢」を信じることであり、自身を支持するのは「自由主義・市場経済のアメリカンドリーム」を信じることだとも主張した。
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August 22, 2020 at 09:18AM
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